生と死 脳神経科学の問題 老人になると、死を意識し始め、去り行く者として、残された一日一日を悔いのないように充実して生きようとする。あるいは多くの知人、友人を見送り、生きていることが、何か奇蹟的な出来事のように感じ始める。そこからさらに進んで、自分の死後からこの世を眺める視点にさえわれわれは立つことができる。 2025.12.28 生と死
生と死 死を越える生 緩和ケア病棟で、「死ぬのが恐い」という男性に、「死んでも何も変わりませんよ」と応じた。わたしが、「死んでも何も変わりませんよ」と言ったのは、ソクラテスが念頭にあった。ソクラテスは、死を場合分けして評価する。もし、死が無への回帰であり、熟睡のような気持ちの良いものであれば、死に忌むべきものは何一つない。それとは反対に、魂が不滅だとすれば、死は、魂が肉体の束縛から解放される至福以外のなにものでもない。つまり、意識がなくなって、自己が無になるとすれば、その無になった自己を確認する手立てはないのだから、熟睡のように「何も変わらない」。そうではなく、魂としての自己は死後も継続するのであれば、これまた「何も変わらない」。 2025.12.19 生と死